ナノ・バイオマテリアルの機能は、わずかな分子構造の差異に基づいて劇的に改善されます。したがって、ナノ・バイオマテリアルの診断・医療などへの応用に向けては、その分子構造を精密に設計することが何よりも重要になります。一方で、ナノ・バイオマテリアルの分子構造-機能相関は、十分に理解されているとは言い難い状況です。この様な状況の打破には、医学・歯学・薬学・農学・理学・工学など多様な専門家が一同に会して議論することが非常に効果的と考えられます。
この様な背景のもとで本学会大会は、専門分野が異なる研究者が若手やベテランなどを問わず、自由活発に議論してお互いに発展できる場として開催します。特に今大会では、ナノ・バイオマテリアルの精密分子設計に重点を置き、2つのシンポジウムを行います。1つは、新型コロナウイルスワクチンでも注目された「核酸分子」に着目した最先端ナノ・バイオマテリアル研究に関するシンポジウムです。もう1つは、さらなる未来医療に向けた「精密高分子医薬」に関するシンポジウムです。精密分子設計によって拓かれるナノ・バイオマテリアルの大きな可能性を享受してもらえれば幸いです。
本年度は、いまだ不透明な新型コロナウイルスの感染リスクを考慮して、Zoomによるオンライン形式で行いこととしました。そのため、懇親会等は行わず、参加費無料となります。アカデミアから企業まで当該分野に興味のある多くの方々の参加を心よりお待ちしております。有意義な大会になるように皆様のご協力をよろしくお願い申し上げます。
第17回ナノ・バイオメディカル学会大会・大会長
東京大学大学院工学系研究科・教授
宮田 完二郎
趣意書 (64KB, pdf)